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日外会誌. 87(8): 878-882, 1986


原著

組織型別にみた胆嚢癌の進展様式

東北大学 医学部第1外科教室

大内 清昭 , 後藤 浩志 , 大和田 康夫 , 佐藤 寿雄

(昭和60年12月24日受付)

I.内容要旨
胆嚢癌治癒手術40例,非治癒手術91例につき癌腫の組織型別に進展様式に関し検討した.治癒手術例では乳頭状腺癌(pap.)がその57%,非治癒手術例では低分化型管状腺癌がその44%と多くを占めた.
治癒手術例の予後はpap.が5生率67%と他の組織型を呈するものに比べて良好であつた.その要因としてpap. 例の61%がS0,74%がHinf0と癌腫が胆嚢壁内に止まりやすく,治癒手術が可能となる症例が多いことがあげられる.管状腺癌(tub.)例ではS0は23%,Hinf0は62%と胆嚢外への進展例が多くを占めた.
一方,非治癒手術例での平均生存期間は組織型による差はみられなかつた.pap.をいえども非治癒手術例ではリンパ節転移,胆管浸潤,腹膜転移をtub.例と同頻度に認め,治癒切除不能の要因となつている.癌腫の組織型はその進展性,手術の根治性と深く関連しており,予後規定の基本となつていることが示唆された.

キーワード
胆嚢癌の進展様式, 胆嚢癌の組織型, 胆道癌取扱い規約の進行度分類


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