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日外会誌. 87(7): 743-753, 1986


原著

持続的局所熱希釈法を用いたヒト門脈血流量測定に関する研究(第2報)
ー肝切除前後における門脈血行動態ー

大阪市立大学 医学部第2外科

山崎 修 , 酒井 克治 , 木下 博明 , 広橋 一裕 , 街 保敏 , 鈴木 範男 , 井上 直

(昭和60年10月28日受付)

I.内容要旨
持続的局所熱希釈法を用いて肝胆道疾患59症例の肝切除前後における門脈血流量を経時的に測定し,その再現性,意義に検討を加えるとともに門脈圧の測定結果を合わせて門脈血行動態を解析した.肝切除後の19症例における門脈血行動態は硬変併存の有無で差をみなかつたが,肝切除量に比例してhypodynamicとなり,術第7病日以降,normodynamicに復する傾向を示した.しかし術後肝不全例ではhypodynamic stateの回復はみられなかつた.また大量切除例における単位肝体積あたりの門脈血流量は肝切除後,有意に増加した.
肝切除後の門脈血行動態は残存肝機能や肝再生に大きな影響を及ぼすため,その把握と是正は肝切除術後管理上必要である.

キーワード
門脈血行動態, 肝切除, hypodynamic state, 残存肝機能, 肝再生

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