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日外会誌. 86(8): 948-952, 1985


原著

Budd-Chiari症候群に対する直視下血行再建術の1例
-主として肝庇護を中心として-

京都府立医科大学 第2外科
*) 京都第一日赤病院 

夜久 均 , 白方 秀二 , 佐藤 伸一 , 佐々木 義孝 , 中路 進 , 岡 隆宏 , 橋本 勇*)

(昭和59年11月5日受付)

I.内容要旨
Budd-Chiari症候群に対する手術法は,肺肝,肺脾固定術およびシャント手術などの姑息的手術と直接閉塞部位に侵襲を加える根治手術に分けられる.現在までに,膜様閉塞例を中心に経心房的膜破砕術等種々の手術法が施行されてきたが,その多くは再発をきたし,長期予後は必ずしも良好でない.一方,直視下根治術では手術侵襲が大きく,いまだ手術術式および補助手段に一定の方式が確立されていない.
著者らは36歳,男で腹水と腹壁静脈の怒張を主訴とする肝部下大静脈閉塞に対し,肝循環遮断を行なわず下大静脈切開部からの出血はすべて吸引し,ローラーポンプを用いて上行大動脈および末梢静脈送血による自家血輸血を行ないながら心膜パッチを用いて肝部下大静脈の直視下根治術を行ない良好な結果を得たので報告する.

キーワード
Budd-Chiari 症候群, 直視下血行再建術

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