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日外会誌. 86(6): 697-708, 1985


原著

大腸癌治癒手術の補助化学療法

横浜市立大学 第2外科(指導:土屋周二教授)

城 俊明

(昭和59年9月8日受付)

I.内容要旨
大腸癌治癒手術例のうち,封筒法によるrandomizeな選択で補助(免疫)化学療法を施行した大腸癌Dukes’B,Cの評価可能例135例について,累積生存率より,補助(免疫)化学療法の効果を検討した.使用薬剤は,Tegafur. Mitomycin C(MMC).Adriamycin(ADM).OK432である.
補助(免疫)化学療法の効果は,結腸癌ではDukes’B,Dukes’C症例ともに認められなかつた.直腸癌ではDukes’B症例では効果が認められなかつたが,Dukes’C症例では免疫化学療法施行症例群の2年,3年生存率が治癒手術単独症例群に比べ高く(p<0.1),注目された.
Dukes’C直腸癌症例について,補助化学療法に用いた各薬剤ごとに検討した結果Tegafur+ADM投与群で最も良好な結果が得られ,次いでTegafur単独群,Tegafur+MMC投与群の順であつた.さらに,Tegafur+MMC投与群をMMCの術中投与群と術前あるいは術後投与群に分けて比較すると,術中投与群が不良な結果を得ており,MMCの投与方法には考慮を要すると考えられた.

キーワード
大腸癌, 大腸癌治癒手術, 大腸癌手術の補助化学療法, 生存率

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