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日外会誌. 86(3): 325-329, 1985


原著

Swan-Ganz カテーテル挿入に際し生じた椎骨動静脈瘻に対するCoil emboliを用いた塞栓療法の 1 治験例

*) 福岡大学 心臓血管外科
**) 福岡大学 放射線科

河野 雄幸*) , 滝沢 佐武郎*) , 渋谷 尚郎*) , 浅尾 学*) , 後藤 勝弥**) , 小金丸 史隆**) , 奥寺 利男**)

(昭和59年2月20日受付)

I.内容要旨
われわれは,48歳の女性で僧帽弁閉鎖不全症のため,僧帽弁置換術を施行した患者に,Swan-Ganzカテーテルを内頚静脈経皮穿刺法にて試みたがその合併症としてはまれな椎骨動静脈痩を経験した.これに対して右大腿動脈よりSeldinger法にてカテーテルを挿入して,Coil emboliを椎骨動脈内に留置し,治癒せしめた1例を報告した.
本症例に対して塞栓療法を行うにあたり,われわれは対側の椎骨動脈造影で椎骨脳底動脈領域の血流不全をきたさないことを確認した.また痩孔が逆行性にも造影されたため痩孔を完全に閉塞するためには,痩孔の末梢および中枢の椎骨動脈を閉塞する必要があつた.

キーワード
内頚動脈経皮穿刺法, 椎骨動静脈瘻, 寒栓療法


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