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日外会誌. 86(2): 187-201, 1985


原著

ヒト膵,肝の局所免疫に関する研究
-lgA と SC の超微形態学的局在-

京都大学 医学部外科学教室第1講座(指導:戸部隆吉教授)

青山 博

(昭和59年3月26日受付)

I.内容要旨
ヒト膵,肝における局所免疫機構をperoxidase免疫電顕法で検索した.secretory component(SC)は,膵管,胆管上皮細胞の核周囲腔,粗面小胞体,ゴルジ複合体といつた蛋白合成小器官および底側部細胞膜,endocytic invagination,細胞内小胞に観察された.immunoglobulin A(lgA)は,上皮下結合組織,基底膜および膵管,胆管上皮細胞の底側部細胞膜,endocytic invagination,細胞内小胞に観察された.これらの所見から膵管,胆管上皮でもIgAはSC-mediated vesicular transport mechanismで膵液,胆汁中に外分泌されるものと結論された.膵,胆道系に存在するIgAは,膵空腸,胆管空腸吻合などの手術後の上行感染抑制に重要な役割を果たすものと考えられた.

キーワード
IgA, secretory component, peroxidase 免疫電顕法, 膵の局所免疫機構, 肝の局所免疫機構

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