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日外会誌. 86(2): 132-138, 1985


原著

人肺扁󠄀平上皮癌高度関連抗原の研究(II)
-酵素抗体法による検討-

金沢大学 医学部第1外科
*) 金沢大学癌研究所 病態生理部

山田 哲司 , 渡辺 洋宇 , 木元 春生 , 岩 喬 , 岡田 収司*) , 倉田 自章*)

(昭和59年3月24日受付)

I.内容要旨
癌特異あるいは癌高度関連抗原を腫瘍マーカーとするため,数多くの研究がなされている.
著者らは外科切除後の肺扁平上皮癌より不溶性画分をデスオキシコール酸で可溶化した抗原を用いて,ゲル内二重拡散法により肺扁平上皮癌に高度関連抗原が存在することを証明した.しかしながらゲル内拡散法では感度の点で不十分であるので,酵素抗体法を用い抗原の定量,性質,分布などに検討を加えた.
その結果この抗原は免疫電気泳動でβ1領域に泳動し,7.5%ポリアクリルアミド平板電気泳動でRfが0.24の泳動度を持ち,他臓器癌組織や胎児組織にはまつたく存在しないことが明らかになつた.

キーワード
肺扁󠄀平上皮癌高度関連抗原, 酵素抗体法, 腫瘍マーカー, 胎児抗原

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