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日外会誌. 85(6): 616-620, 1984


原著

α-フェトプロテイン産生直腸癌の1例

京都大学 第1外科
*) 京大病院 病理部

野田 秀樹 , 前谷 俊三 , 戸部 隆吉 , 野原 隆彦*)

(昭和58年7月26日受付)

I.内容要旨
α-フェトプロテイン(以下AFPと略す)は肝以外の消化管癌においても高値を示すことがあるが,そのほとんどの症例が肝転移陽性例で,AFP値も数百ng/ml以下である.また報告例の多くは胃癌症例で,その他の消化管にみられることは稀である.
今回,著者らはAFP産生直腸癌との確証が得られた一例を経験した.患者は68歳男性で術前のAFP値は2,750~3,500ng/mlで,術前,術中検査にて直腸癌の他,肝細胞癌,肝転移を認めず,直腸切断術を施行した.術後血中AFP値は急速に低下し正常(10ng/ml以下)に復した.また切除腫癌中に酵素抗体法にてAFP産生細胞が確認された.

キーワード
α-フェトプロテイン, 酵素抗体法(PAP法), 直腸癌

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