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日外会誌. 85(4): 346-355, 1984


原著

膵管形態の推移よりみた高度慢性膵炎に対する膵管減圧術の術後成績

東京警察病院 外科

原口 義座

(昭和57年11月4日受付)

I.内容要旨
進行した慢性膵炎に対しては,膵管減圧術が現在最も広く施行されているが,適切な手術術式の選択,術後の膵機能の推移などについて末解決の点が多く残つている.これらの点について検討するため,まず手術術式の選択に関して最も重要と考えられる主膵管の狭窄,拡張像を基準として慢性膵炎を7型に分類した.そのうえで膵管像所見の異常度を決定し,これに基づき術前,術後の膵管像の変化を判定しえた18例について,術後の膵管形態の推移及び吻合口の開存性に関して各術式別に比較した.
吻合口開存に関しては,膵管空腸側々吻合術と吻合口を大きくできる膵管空腸両側吻合変法が良好であった.膵管形態については,主膵管の拡張は改善傾向が強かつたが,狭窄は不変ないし悪化と考えられる症例が多かつた.また特に拡張の改善度を部位別にみると尾部で良好であり,尾部温存の重要性が示唆された.

キーワード
慢性膵炎, 膵管空腸吻合術, 膵管形態分類, 内視鏡的逆行性膵管造影, 主膵管狭窄像


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