[書誌情報] [全文PDF] (4256KB) [会員限定・要二段階認証][検索結果へ戻る]

日外会誌. 84(12): 1279-1285, 1983


原著

膵障害ことに急性膵炎ラットのエラスターゼ測定とその意義

大阪市立大学 第1外科

鄭 容錫 , 佐竹 克介 , 梅山 馨

(昭和58年1月8日受付)

I.内容要旨
ラット膵elastaseのRIA法を用いて急性膵炎およびethionine長期投与ラットの血中elastase値を測定し,その診断学的意義について検討した.
生食膵炎,trypsin膵炎ラットのRIA法による血中elastase値は両膵炎群とも作成前値に比べ著明な高値を示し,trypsin膵炎群で生食膵炎に比較して有意の高値を示し,また,腹水中のelastase値も同様にtrypsin膵炎群で著明な高値を呈した.組織学的にtrypsin膵炎群では出血性膵炎像,生食膵炎では浮腫性膵炎像であつた.Ethionine長期投与ラットの血中elastase値は著明な低値を呈し,組締学的に萎縮像を呈していた.
以上,RIA法による血中及び腹水中elastase値の測定は急性及び慢性膵炎の診断,とくに出血性膵炎移行の診断に有用性が示唆された.

キーワード
Rat膵elastase, 出血性膵炎, 浮腫性膵炎, Ethionine長期投与ラット

このページのトップへ戻る


PDFを閲覧するためには Adobe Reader が必要です。