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日外会誌. 83(7): 702-706, 1982


原著

甲状腺・上皮小体にサルコイドーシス病変をみたバセドウ病の一例

岩手医科大学 第1外科
*) 岩手医科大学 第1病理

吉田 博 , 冨地 信和*) , 石田 茂登男 , 鈴木 俊輔 , 高山 和夫*) , 佐々木 純 , 矢川 寛一*) , 森 昌造

(昭和57年2月8日受付)

I.内容要旨
我々は典型的なバセドウ病で来院した50歳女性を手術し,組織学的にその甲状腺および上皮小体に肉芽腫性病変を認めた.その病変はde Quervain甲状腺炎,甲状腺結核さらにsarcoid tissue reactionとは明らかに異なり,サルコイドーシスと診断した.サルコイドーシスは肺,眼,皮膚さらに内分泌臓器に肉芽腫性病変を来すことは知られているが,機能亢進症の甲状腺や,さらに上皮小体にまでサルコイドーシス病変がみられることはきわめてまれである.本症例は甲状腺機能亢進症とサルコイドーシスの偶然の合併と考えられ,そしてサルコイドーシスが甲状腺および上皮小体に限局した非常にまれな症例と考えた.

キーワード
サルコイドーシス, バセドウ病, 上皮小体


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