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日外会誌. 83(2): 186-191, 1982


原著

中枢神経系の手術後感染症

徳島大学 脳神経外科
*) 現 八尾徳洲会病院 脳神経外科

小原 進*) , 戒谷 大蔵 , 堀江 周二 , 向井 完爾 , 松本 圭蔵

(昭和56年9月17日受付)

I.内容要旨
当教室での手術後感染症を過去約6年間の “cleancase” 1,002例について分析した.
全身性惑染症は18.5%で膀胱炎,肺炎,髄膜炎,静脈炎の順であった.感染症発生の季節による変動はみられなかつた.性別については膀胱炎のみ女性に1.8倍の頻度でみられたが他は差がなかった.年齢別では10歳代以下を除くと年齢と比例して感染率が上昇した.手術時間は長い程感染率が高くなる傾向がみられた.起炎菌は多岐にわたりopportunistic infectionもありうると考えられた.
中枢神経系感染症は3.6%で,髄膜炎,創部感染,脳膿瘍,脳室炎の順であった.中枢神経系感染症をひきおこしうる重要な因子としては再開頭手術,気管切開,糖尿病,脳室ドレナージまたはシャント手術,緊急手術などがあげられた.

キーワード
術後感染症, 中枢神経系感染症, 髄膜炎, opportunistic infection


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