[
書誌情報]
[
全文PDF] (4771KB)
[会員限定・要二段階認証]
日外会誌. 82(11): 1307-1313, 1981
原著
反回神経麻痺の臨床的並びに実験的研究
第1編 臨床編(その2)誤嚥と反回神経麻痺
I.内容要旨一側反回神経麻痺だけで,誤嚥が起こるとも,起こらないとも,現在のところ結論が出ていない。そこで,実際にわれわれが過去6年間に経験した甲状腺手術症例のうち,術前に反回神経麻痺が無く,術中腫瘍浸潤のため,やむなくー側反回神経を切断した症例のうち,神経切断放置例の13例,および反回神経端々縫合例の6例について,術後最低1年経過した時点で,誤嚥の有無を調査検討し,以下のような結果を得た.
1) ー側反回神経麻痺例でも誤嚥を起こす可能性がある。
2) 誤嚥を起こす症例は、声門閉鎖が不完全である傾向がうかがわれた.
3) 声門閉鎖不全の原因は,健側声帯の代償が不充分な場合と,患側声帯の萎縮が強い場合であつた.
4) 反回神経縫合例は,声帯萎縮を予防し,誤嚥が無いか,あつても途中で治癒していた.
キーワード
誤嚥, 甲状腺手術, 反回神経麻痺, 声門閉鎖不全, 反回神経縫合
PDFを閲覧するためには Adobe Reader が必要です。