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書誌情報]
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日外会誌. 81(11): 1387-1397, 1980
原著
甲状腺癌・所属リンパ節取扱いの検討
-亜全剔+ modified neck drssectron以上の手術例において-
I.内容要旨本来,癌のリンパ節群分類は癌のリンパ節転移様式を可能な限り正確に示し,治療方針を決定し,さらに治療後に生じうる再発の危険部位と予想し, follow-upの要点をも示唆することが望ましいと考えられる.
すでに甲状腺癌のリンパ節転移に関する臨床病理学的研究は種々あるが,その内容は報告によつてかなり差が認められ, このことは単に対象とした症例の病期の差によると考えるよりむしろリンパ節群区分の差によるものと考えられる.ここで著者らはすでに報告した甲状腺癌リンパ節転移様式に関する研究から甲状腺癌リンパ節転移model を推定し,新たにリンパ節群区分を行ない,各リンパ節群の臨床的意義に関して以下の如く報告する.
1. 甲状腺旁リンパ節群への転移は腺内転移と同様に考えられる.
2. 気管前旁リンパ節群は3群に分ける必要性がある.
3. 深頚リンパ節群は3群に分ける必要性があり,上甲状腺動脈起始部は中深頚リンパ節群に含める必要性がある.
4. 鎖骨上窩リンパ節群の独立性は充分にあると考えられる.
5. 後部副神経リンパ節群(外深頚)は2群に分ける必要性はない.
6. 喉頭前・顎下リンパ節群の区分には問題はない.
7. 頣下リンパ節群に転移はなく, n
3群として処理すべきである.
8. 食道旁リンパ節群に転移のある場合は独立させるべきである. n
3群とする.
9. 上前縦隔リンパ節群は外科治療の対象となるため,独立させるべきである. n
3群とする.
10. 浅頚リンパ節群を独立させ, n
1・n
2群とする必要性がある.
キーワード
甲状腺癌, 甲状腺癌転移, 保存的頚部廓清術
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