日外会誌. 43(4): 515-542, 1942

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その他

腹膜癒著特ニ其ノ豫防方法ニ就テノ實驗的研究

I．内容要旨
余ハ家兎ヲ使用シテ腹膜癒着惹起ノ諸條件ヲ考究ツタルニ腹膜ニ何等損傷ノ無イ腹壁ヨリノ出血ニ依リテハ癒著ヲ惹起スルコトナク，器械的刺戟ノ加ハルコトアルモ出血無ク或ハ範圍ノ狭少ナモノハ癒著シナイ．化學的刺戟ニ依リテハ常ニ癒著ヲ生ジ，細菌感染ニ於テハ著明デアル．而シテ癒著ハ其ノ惹起諸條件ノ多ク加ハル程確實ニ且廣範圍ニ生ズル．癒著ハ廣範圍ノモノハ小範圍ノモノヨリモ腸通過障碍ヲ頻發スルモノデデル．
癒著防止ハ従来ノ諸方法ニ於テハ著效無ク，余ハ術後多量ノ生埋的食礫水又ハ2ー5％ノ軽度ナル高調液ヲ腹腔内ニ注入シ，後2ー3同多量ノ生理的食祇水ヲ大腿部皮下ニ注入スル時ハ腹腔内液ヲ常ニ充満シ，腸管ノ接觸ヲ防禦スルヲ以テ有效デアルコトヲ證明シタ．
一且癒著シタモノヽ剥離面ニハ筋膜ヲ縫合貼布スルトカナリノ效果ノアルモノデアル．

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