日外会誌. 43(3): 339-370, 1942
その他
肉腫榮養血管ノ「レ」線照射ニヨル變化ニ對スル實驗的研究
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名古屋帝國大學 醫學部齋藤外科敎室 助手 醫學士（主任 齋藤眞敎授） 安井 倉一 |
家兎可移植性肉腫ヲ家兎ノ耳殻肋間壁及ビ下肢ニ移植シテ後之ヲ早期 (7日)，中期 (14日)，晩期 (21日) 以内ノ各時期ヨリ「レ」線照射ヲ開始シ一定時日後屠殺シテ造影劑ヲ注入シテ「レ」線寫眞ヲ撮影セリ.「レ」線照射量ト照射聞始時トニヨリ加藤系家兎肉腫ヲ完全治癒ト不完全治癒セシメ得．此ノ場合ニ於ケル肉腫榮養血管「レ」線像ハ主トシテ肉腫組織ト其ノ運命ヲ共ニスルモノニシテ肉腫增大ト共ニ附近ヲ榮養スル正常血管ガ蛇行擴增增生シテ榮養血管トナルモ「レ」線適當量照射ニヨリ一度肉腫縮小スレバ榮養血管ノミナラズ主幹動脈其ノ附近ノ血管モ縮小セリ．「レ」線ノ不完全照射ニテ肉腫ノ發育ヲ僅カニ抑制スル時ハ却ツテ血管ト肉腫組織トガ平衡ヲ保チ「レ」線障碍去ルト同時ニ極メテ旺盛ナル發育ヲ始ム．「レ」線照射ニテ肉腫縮小消失スルモ一度榮養血管トシテ延長迂曲セル血管ハ長ク其ノ狀態ヲ保チテ後徐々ニ正常血管ニ移行スルモノナリ．
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