日外会誌. 43(1): 60-81, 1942
その他
蟲垂炎成因トシテノ Shwartzman 現象
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1) 慶應義塾大學 醫學部外科學敎室 講師 醫學博士（主任 茂木藏之助敎授） 渡邊 治生1) , 木村 將義2) (昭和15年6月16日受付) |
著者等ハ蟲垂炎ノ原因トシテ Shwartzman 現象ヲ考ヘル時次ノ4點ニ於テ都合ノ好イ關係ガアル卜思考スル.
1) 蟲垂内ニ最モ普遍的ニ存在スル大腸菌ニ新シイ意義ヲ附スル事ガ出來ル.
2) 醫學ノ進歩セル國ニアツテハ，人體ニ於テ，豫防醫學的或ハ治療醫學的ニ抗體ヲ產生セシムル事ガ多イ．故ニ，抗原抗體反應ヲ Shwartzman 現象第ニ因子ト考ヘレバ，蟲垂炎ガ文化ノ發逹ト共ニ増加スル事實ヲ説明スル事ガ出來ル.
3) Fischer u. Kaiserling ノ説ヲ抱括増強スル．
4) 病理組織學的ニ相反スル事ハ無イ．
然ラバ果シテ Shwartzman 現象ガ蟲垂炎ノ原因トナリ得ルヤ否ヤ．大約次ノ如キ實驗的檢索ヲ行ツタ．
第一編（準備作用）
實驗主題—蟲垂内容物中ニ Shwartzman 現象ヲ準備スル能力ノアル物質ガ存在スルカ？
結果—存在シテ居ル.
第二編（發露作用）
實驗主題—人類自然生活中ニ Shwartzman 現象發露作用（第二因子）トシテ有效ナル機轉ガ行ハレルカ？
結果—食餌性「アレルギー」ニヨツテ發露セラレル．故ニ行ハレル.
第三編
實驗主題—家兎蟲垂ニ Shwartzman 現象ヲ惹起セシムル時ハ如何ナル變化ヲ生ズルカ？
結果—淋巴濾胞内ノ出血ヲ來ス．之ハ人類ニ於ケル出血性蟲垂炎ノ淋巴濾胞出血ト同様ナ變化デアル.
以上ヲ以テ著者等ハ Shwartzman 現象ガ蟲垂炎ノ原因トナル事ガアルデアラウト言フ事ヲ信ジツツアル.
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