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日外会誌. 40(3): 403-478, 1939
その他
實驗的腸管過敏症ノ研究
I.内容要旨余ハ腸管食餌性過敏症ト腸運動トノ關係ヲ知ラントシテ,次ノ實驗ヲ行ヒタリ.
實驗動物トシテハ家兎ヲ選ビ,抗原トシテハ馬血淸,鶏卵白ヲ用ヒ,腸管運動ハ剔出腸管ヲ マグヌス氏装置ニヨリ甦生セシメテ,之ニ抗原ヲ注加シテ共ノ變化ヲ檢シタリ.
先ヅ家兎ヲ皮下注射法ヲ以テ感作シ,其ノ剔出腸管ノ運動ヲ檢シタルニ,其ノ自動運動ハ抗原ニ反應シテ,著明ニ亢進スルヲ認メタリ.而シテ斯ル腸管反應ヲ現ハスモノハ,同時ニ檢シタル血中沈降素產生狀態,皮内反應及ビ間接ニ檢ツタル血壓下降現象等ヨリ考案シテ,一般的ニ强ク過敏性ニアル家兎程著シキヲ認メタリ.又腸管ノ各部位ニ就テ比較セルニ,十二指腸,空腸ハ最モ反應著明ニシテ,廻腸ハ稍々之ニ劣ルカノ感アリ,蟲樣突起ハ之ニ次ギ, 結腸,直腸ハ更ニ劣ルヲ認メタリ.而シテ別出胃壁ハ斯ル過敏性反應ヲ示ス事甚ダ稀ナリ.又腸管以外ノ臓器ニアリテハ,剔出膀胱體部ハ可成リヨク過敏性反應ヲ示スモノニシテ,其ノ率ハ廻腸卜蟲樣突起ノ中間ニ位ス.又剔出脾臓ハ過敏性反應ヲ示スコト稀ナルヲ知リタリ.
次ニ余ハ,家兎ニ經口的ニ抗原ヲ投與シテ,血中沈降反應,皮内反應,腸管反應等ヨリ見テ,皮下注射法ニヨル場合卜殆ド變ラザル程度ニ家兎ヲ全身性ニ感作スル事ノ可能ナル場合アルヲ證明セリ.
又更ニ,家兎ニ經口的ニ抗原ヲ投與シテ,血中沈降反應,皮内反應等ガ陽性ニ現ハレル程度ニ迄,全身性ニ感作シ能ハザル場合ニモ,剔出腸管ガ明ラカニ過敏性反應ヲ示ス場合アルヲ知リタリ.恐ラク腸管ノミガ特ニ强ク感作セラルルモノナルベシ.
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