日外会誌. 40(1): 112-129, 1939

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その他

齋藤外科ニ於ケル結腸癌33例ノ統計的觀察竝ニ最近症例5例ニ就テ

I．内容要旨
余等ハ1924年以來過去13年間ニ齋藤外科敎授室ニ於テ經驗セル結腸癌33例ニ就キ統計的考察ヲ行ヒタリ．
頻發度ハ總入院手術患者ノ約0.37％ニ相當シ全癌疾患ノ6.3％ニ相當ス．
頻發部位ハ廻盲部横行結腸上行結腸，S宇狀部ノ順拉ニシテ結腸肝．脾彎曲部ニ於テハ少シ．
年齢ハ50歳代最モ多ク次ニ40歳代，60歳代，70歳代ノ順ナリ．男女ノ比ハ、2對1.平均年齢ハ女子ノ方稍々高年ナリ．
既往症ニ於テ腸疾患ニ羅レルモノヲ32％ニ見タリ．
困難期ハ平均4.9ヶ月ニシテ比較的早期ニ病院ニ訪ルヽヲ認ム.
來院時主訴トシテハ腹部腫瘍11例ニシテ最多ク次ニ腹痛，便泌，腰痛ノ順ナリ．
血液所見トシテ何レノ場合ニ於テモ多少ノ貧血ヲ認メ血色素40％代ヲ4例ニ認メタリ．赤約半數ニ於テハ貧血ヲ認メ赤血球沈降速度ノ速進ヲ見タリ.
腫瘍觸知率ハソノ51.5％ニシテ上行結腸，廻盲部，横行結腸二於テハ觸知シ易ク，肝脾彎曲部ニ於テハ比較的困難ナリ．
腸閉塞症ノ合併ハ39.3％ニシテ比較的多シ．腸閉塞時ノ困難期最短7日ニシテ最長7ヶ月ナリ．且ツ年齢ハ比較的高年ニ多ク性別ハ男子ハ女子ノ2倍ナリ．腸閉塞時ノ腫瘍觸知率ハ15.3％ナリ．
診斷ニ於テハ「レ」線檢査重要ニシテ特ニPneusnogastro-parietgrophie及ビPneusno-coloparietgraphieヲ應用スル時ハ腫瘍ノ診斷ニ明確ナル指針ヲ得べシ．治療トシテ根治手術可能ナルハ66.6.％ニシテ腸閉塞ヲ伴ハザル場合ハ54 ％腸閉塞時ハ69％ニシテ前者ノ死亡率25％，後者10％ニシテ良好ナル成績ヲ擧ゲタリ．組織學的ニハ腺癌最モ多ク次ニ膠様癌ニシテ單純癌少シ．
遠隔成績ハ現在生存63.6％ニシテ其ノ中2ヶ年以上再發ナキモノ1例1 年半以上再發ナキモノ2例ヲ認ム．

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