日外会誌. 35(2): 138-181, 1934
その他
腸線問題卜余ノ腸線
（理想的製造及ビ消毒法）
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醫學博士 宇山 俊三 |
先ヅ腸線ノ歴史ヲ述ベタル後從來ノ製造法及ビ其ノ種々ノ醫學的改良法竝ニ著者獨創ノ製造法ヲ詳述檢討シ著者ノ方法ノ最モ優越シ理想的ナル所以ヲ明ラカニシ且ツ同法ハ其原料モ從來法卜異ナリ羊，山羊ノ腸管ニ限定セラレズ．寧ロ牛，馬ノ腸管ヲ優レリトセルヲ以テ前者ノ得難キ我國ニ適スルヲ述べ更ニ著者ハ腸線問題中最モ重要ナル滅菌，抗張力及ビ吸收時間ニ關スル多數學者ノ研究ニツキ文獻精査ノ結果皆其ノ實驗方法不備ニシテ信頼スルニ足ルモノ殆ンドナク唯ダ著者ノ1920年ニ於ケル發表アルノミナルヲ以テ消毒腸線モ亦著者ノ誦キニ發表セシ製造及ビ消毒法ニヨルモノ以外臨牀家ノ安ンジテ使用スルニ足ルモノナキヲ知レリ．然レドモ該腸線ト雖モ他種製品同樣滅菌ノ他尚ホ品質ノ向上ヲ要スル點多々アリ殊ニ滅菌ニ因ル抗張力ノ減少ハ臨牀家ノ等シク遣憾トセル虞ナルヲ以テ著者ハ之レガ改善ニ志シ種々實驗ノ結果遂ニ Toluol 及ビ Alkohol ノ混合液ヲ用ヒ摂氏100度以下ノ低溫ニ密閉加熱スル新消毒法ヲ案出セリ．依テ著者ハ本法處理ノ腸線ニ就キ多數ノ合法的檢査ヲ行ヒ其ノ滅菌完全ニシテ抗張力モ所期ノ如ク未消毒腸線卜殆ンド差異ナキヲ立證シ又其ノ吸收時間モ同樣ノ檢査ニヨリ信頼スルニ足ル標準ヲ示シ得タルヲ以テ著者ノ製法及ビ新消毒法併用ニヨリ調製セラレタル腸線ハ現時唯一無二ノ理想的腸線ニシテ60餘年來混亂ノ腸線主要問題モコノ國產品ニヨリ全ク解決セラレタルヲ告ゲ更ニ尚ホ無菌性化膿，消毒腸線貯藏竝ニ包装法ノ考案，腸線ノ太サ及ビ品質表示法ノ國際的統一ノ必要，腸線使用ニ對スル臨牀家ノ態度及ビ其ノ將來ノ期待，不良品取締等ニ關スル著者年來ノ所見ヲモ述ブ．
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