[書誌情報] [全文HTML] [全文PDF] (515KB) [全文PDFのみ会員限定]

日外会誌. 122(3): 296, 2021

項目選択

特集

乳癌診療の現状と課題

1.特集によせて

杏林大学医学部 乳腺外科

井本 滋



<< 前の論文へ次の論文へ >>

 
新型コロナウイルスの感染爆発から外科診療もトリアージをせざるを得ない状況ですが,癌の診断と治療の遅れから救える命が失われることは許されません.厳しい医療環境が続きますが,乳癌は臨床病理学的因子と分子生物学的因子に基づいて個々の患者に相応しい医療を提供する時代にあります.そこで日々進歩を続ける乳癌診療について7名のエキスパートが解説します.順に,乳癌検診について東北大学・佐藤章子先生,石田孝宣先生から第Ⅲ相試験であるJ-STARTの進捗状況も含めて報告いただきます.乳癌術後の整容性について藤田医科大学・喜島祐子先生から乳房切除術の変遷から乳房再建術やoncoplastic surgeryの現状を解説いただきます.再建する乳房は自家組織と人工物に大別されますが,2019年日本人女性で初めてBIA-ALCLが報告され社会問題となりました.埼玉医科大学・三鍋俊春先生には形成外科の視点から乳房再建術の現状と課題を伺います.さて,遺伝性乳癌卵巣癌症候群(HBOC)は全乳癌の5~10%と推定され,BRCA1/2遺伝子変異は4%に認められます.日本におけるHBOCの現状と課題について昭和大学・中村清吾先生に解説いただき,聖路加国際病院・喜多久美子先生,山内英子先生にはリスク低減乳房切除術を含む既発症者の診療について報告いただきます.最後に,術前薬物療法の現状と課題について兵庫医科大学・文亜也子先生,三好康雄先生からサブタイプ別に解説いただき,慶應義塾大学・林田哲先生からがんゲノム医療の現状と課題をまとめていただきます.以上,乳癌の外科治療と密接に関連する分野について理解を深めていただけば幸いです.

 
利益相反:なし

このページのトップへ戻る


PDFを閲覧するためには Adobe Reader が必要です。