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日外会誌. 127(3): 310-317, 2026


特集

遺伝子診断が変える乳腺外科診療

8.形成外科・乳房再建

愛知県がんセンター 形成外科

奥村 誠子

内容要旨
2020年4月より本邦での遺伝性乳がん卵巣がん症候群に対する遺伝子検査とリスク低減手術が保険適応となった.乳癌に占める割合は5%程度であるが,両側再建の増加と,片側発症であっても対側手術の可能性をより強く考慮することとなった.
再建に対する考え方の変化としては片側症例であっても将来的な両側の可能性を考えることである.切除時期も再建時期も左右同じとは限らず,そのことが左右の条件が異なる原因となる.しかし,再建の目標とするところに左右の対称性は重要な項目である.
同じ切除,同じ再建はバランスがとりやすいが,時期や条件が異なることで切除でも左右差が生じる.初回の再建方法によっては,左右の再建方法を変える必要が生じる.それらのことは左右の対称性の難易度をあげる.
2020年以前に乳癌治療をしている場合は,異時両側例となり,初回に腹部皮弁を選択している場合には左右異なる再建方法の選択となる.遺伝子検査の導入により,初発時に遺伝性の診断がつく場合は最初から両側再建を考慮できる.ただし,遺伝子陽性であっても必ずしもリスク低減手術を選択するわけではないので,将来の対側手術を見据えた再建を考慮する必要がある.
遺伝子診断によって,乳房再建においても色々な時期における両側手術を意識して,多様性に対応できるように,様々なケースの方法を考慮することが重要である.

キーワード
乳房再建, 遺伝性乳がん, リスク低減手術, 同時両側再建, 異時両側再建

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