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日外会誌. 127(3): 287-294, 2026


特集

遺伝子診断が変える乳腺外科診療

5.遺伝子診断を考慮した検診・画像診断

1) 京都大学医学部附属病院 先制医療・生活習慣病研究センター
2) ルンド大学 トランスレーショナル医療画像診断科
3) スコーネ大学病院 医用画像・生理学科

片岡 正子1) , 本田 茉也1) , 大橋 茜2)3)

内容要旨
遺伝子診断の進歩は,乳癌検診と画像診断の領域に変革をもたらしている.BRCA1/2等の病的遺伝子変異保持者は乳癌発症リスクが高く,造影MRIを用いた年1回のサーベイランスが乳癌死亡率を減少させることが示されている.一方で,MRIの普及度やコストが課題となっている.病変検出能を保ったまま撮像時間を短縮するAbbreviated MRIや,Ultrafast MRI,非造影MRIが提案されている一方,MRIの代替検査手法として造影マンモグラフィや超音波検査なども検討されている.
遺伝子変異の種類によって発症する乳癌の画像的特徴が異なることは知っておきたい.BRCA1関連乳癌は境界明瞭な腫瘤を,BRCA2関連は微小石灰化を呈しやすい特性があり,早期の小さい段階では良性病変との鑑別が難しい場合もある.こうした特徴の理解と画像診断側への変異情報の共有が質の高い診断には不可欠である.
Polygenic Risk Score(PRS)の活用が進んだこともあり,中等度リスク群を含めた詳細な層別化も選択肢に入りつつある.遺伝子による生涯リスクと,AIを用いたマンモグラフィ画像解析による短期的なリスク予測の組み合わせによるリスク層別化検診は,従来のOne fits for all検診の課題克服に期待されている.
本稿では,最新のエビデンスを概説し読者である外科医の先生方と必要な情報を共有することを目的とする.

キーワード
BRCA , PRS , MRI, ハイリスク, サーベイランス

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