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日外会誌. 112(6): 399-403, 2011


特集

頸動脈狭窄症の最近の動向

8.頸動脈ステント術の実際

獨協医科大学越谷病院 脳神経外科

鈴木 謙介 , 兵頭 明夫

I.内容要旨
頸部頸動脈狭窄症の外科的治療には,従来から内頸動脈内膜剥離術(CEA)が施行されてきたが,近年では多くの症例に対し頸動脈ステント術(CAS)が施行されるようになっている.ガイドラインではCEAハイリスク群に対してのみCASが推奨されているものの,本邦でのCASの件数は,すでにCEAを大きく上回っている.
CASの方法は,術中の末梢塞栓を予防する方法により,3つに分類できる.頸動脈プラークの性状,側副血行路の発達程度により,3つの方法のいずれかを選択するのが通常である.また留置するステントには,オープンセルとクローズドセルの2種類があり,病変の屈曲程度やプラークの性状により使い分けている.CASを成功裏に終了させるには,MRI,超音波検査,脳血管造影などの術前検査の結果を踏まえ,最も安全であると思われるプロテクション法やステントを選択することが重要である.

キーワード
内頸動脈狭窄症, ステント留置術, フィルター, バルーン, プロテクション


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