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日外会誌. 100(12): 815-817, 1999


症例報告

腸骨仮性動脈瘤に対しstent graftを用いて治療した1例

1) 東京慈恵会医科大学 外科
2) 東京慈恵会医科大学 放射線科

石井 義縁1) , 萩原 博道1) , 戸谷 直樹1) , 立原 啓正1) , 山崎 洋次1) , 氏田 万寿夫2)

I.内容要旨
近年のendovascular interventionの発達にともなって,動脈瘤や閉塞性動脈硬化症など血管内病変への適応が拡大しつつある.とくに仮性動脈瘤に対する治療は,従来では外科的処置が中心であったが,stentgraftの開発により低侵襲での治療が可能となった.今回われわれは,腸骨動脈の仮性動脈瘤に対しstentgraftを留置し,良好な結果を得たので報告する.方法は,まずPalmaz stentとthin wall polytetrafluoroethylene(PTFE)を組み合わせてstent graftを作成した.そして硬膜外麻酔下に鼠径部で大腿動脈を露出し,14Fr.のイントロデューサーを通してこのstentgraftを挿入し,仮性動脈瘤の部位に留置した. stentgraftを用いた仮性動脈瘤の治療は,全身麻酔のリスクを回避し,開腹などの侵襲も軽減できる有為な治療法であり,今後さらに発展していくと思われる.

キーワード
endovascular intervention, 仮性動脈瘤, stent graft

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