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日外会誌. 100(9): 544-546, 1999
特集
形成外科・最近のトピックス
6.頭頸部の再建
I.内容要旨マイクロサージャリーを用いた遊離組織移植術の導入は,頭頸部癌切除後の再建に画期的な進歩をもたらした.その結果,多くの施設で本術式が使用されるようになっている.
血管吻合の技術は要するものの,再建に使用される皮弁は血行が豊富で太い血管柄を有するものが多く(前腕皮弁,腹直筋皮弁,肩甲骨皮弁など)安定した成績が納められている.本術式の利点は,従来の有茎皮弁移植法などに比べ,必要な組織を必要な量だけ,しかも血流の良い状態で移植できることであり,複雑な形態を有しかつ唾液に晒されたり多量の放射線照射を受けていることの多い頭頸部領域の再建に有用といえる.
しかし,この領域では単に形態の復元を行えば良いわけではなく,機能的な再建が患者の社会復帰の上で重要なウエイトを占める.特に集学的治療の進歩により患者の生存率が向上している昨今では,患者のQOLを一層改善するための努力が再建外科医に求められている.
本稿では,頭頸部の代表的な各部位における遊離組織移植術を用いた再建法の最新の工夫点,進歩などについて言及した.
キーワード
頭頸部再建, QOL, 遊離組織移植, マイクロサージャリー
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