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日外会誌. 99(12): 868-870, 1998
症例報告
先天性表皮水疱症を合併した僧帽弁逸脱による僧帽弁閉鎖不全症の1例
I.内容要旨まれな水疱症である先天性表皮水疱症を合併した僧帽弁逸脱症候群の1手術例を経験した.症例は49歳の男性.1歳時に先天性表皮水疱症と診断された.今回,労作時呼吸困難を発症し,精査にて僧帽弁逸脱症候群および冠動脈3枝病変の診断を得,僧帽弁置換術(ATS弁25mm),CABG(左内胸動脈―左前下行枝)を施行した.先天性表皮水疱症の発症機序として膠原線維の代謝異常が考えられており,僧帽弁逸脱症との関連が強く疑われた.また先天性表皮水疱症と僧帽弁逸脱症候群との合併は,著者らが調べ得た限りでは,自験例を含め2例と極めて稀であるため,若干の文献的考察を加えて報告する.
キーワード
先天性表皮水疱症, 僧帽弁逸脱症
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