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日外会誌. 99(12): 861-864, 1998
症例報告
特発性胃重積症の1例
I.内容要旨73歳,男性.頻回の嘔吐を主訴に来院した.心窩部に圧痛を伴う腫瘤を触知した.白血球,CRPは高値であり,貧血も認められた.胃透視では体下部が前庭部に陥入し,前庭部は腫大していた.内視鏡では索状の皺襞が幽門方向に集束し,潰瘍形成も認められた.胃重積症の診断で手術を施行した.前庭部は重積により小児頭大に腫大していたが,用手による整復は不可能であり,また幽門側胃切除を施行するにも,肝十二指腸靭帯が重積した部分に巻き込まれ,小弯側での血管処理が困難と思われた.やむを得ず,結腸後位での胃空腸吻合のみを行った.しかし,第10病日に施行した消化管透視では胃重積は解除されていた.また先進病変となりうる所見を認めなかった.自験例は,重積を来した原因は不明であるが,先進病変を欠く胃一胃型胃重積症例の報告は現在までになく,まれな症例と考えられたので報告する.
キーワード
特発性胃重積症, 胃ー胃型胃重積症
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