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日外会誌. 99(12): 855-860, 1998
総説
転移性肺腫瘍の外科治療
I.内容要旨転移性肺腫瘍の過去20年間の切除成績は約40%に長期生存がみられるが,今日では手術成績,予後は原発臓器別に報告され,原発臓器により手術適応も異なることが指摘されている.そこで,転移性肺腫瘍に対する治療成績について原発癌別に自験例を含めて文献的に考察した.単発であれば原発巣と関係なく外科的切除の適応があるが,軟部肉腫や骨肉腫は多発例でも効果が期待できる.肺切除後の補助療法は,骨肉腫では微小転移の予防として化学療法が有効である.また乳癌では化学・内分泌療法が有効であるが,肺切除は原発性肺癌との組織学的鑑別の意義にとどまるという考え方もある.今後の症例の蓄積が必要である.大腸癌転移には多発例や肝転移併存例に長期生存がみられる.大腸癌肺転移は今後どのような症例が肺切除により長期生存がえられるかについての検討が必要である.大腸癌,腎癌では肺所属リンパ節転移がみられる場合には切除成績は不良であり,適応の再検討が必要である.
キーワード
転移性肺腫瘍, 肺切除術
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