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日外会誌. 99(2): 124-128, 1998
症例報告
無症候性Glucagonomaの一例
I.内容要旨症例は36歳女性.上部消化管造影にて胃壁外性圧迫所見を認めたため,腹部精査施行.腹部超音波検査及び断層撮影(CT)にて膵体部に約5cmの充実性病変と,膵尾部に約4cmの嚢胞性病変を認めた.血中glucagon値は27,500pg/mlと著明に上昇していたものの耐糖能異常や皮疹等は認めなかった.以上より,無症候性機能性のglucagonomaを疑い,開腹術施行した.腫瘍は膵体部および膵尾部に一つずつ存在し,切除標本では膵体部に充実性腫瘍と,同時に膵尾部に嚢胞状の腫瘍が認められた.組織学的には2つの腫瘍ともに比較的小型の腫瘍細胞からなり,免疫組織学的にはchromogranin及びglucagonに陽性で,電顕的には腫瘍細胞内に多数の内分泌穎粒が認められた.所属リンパ節には腫瘍細胞の転移はみられなかった.無症候性機能性glucagonomaは比較的稀であり,また膵島細胞腫瘍が充実性病変と嚢胞性病変を同時に形成することは極めて珍しい.
キーワード
膵島細胞腫瘍, glucagonoma
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