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日外会誌. 98(11): 968-971, 1997
症例報告
腹腔動脈閉塞を伴う膵十二指腸領域の多発動脈瘤に対し,瘤切除とバイパス術を施行した1例
I.内容要旨腹部内臓動脈瘤は比較的希な疾患とされてきたが,画像検査技術の進歩により,破裂前に発見される症例が増加している.背側膵動脈瘤は腹部内臓動脈瘤のなかでも極めて希な疾患であるが,今回われわれは腹腔動脈閉塞に背側膵動脈瘤・膵十二指腸動脈瘤を合併した症例を経験した.この症例に対し背側膵動脈瘤切除,腹部大動脈から総肝動脈へ大伏在静脈にてバイパス術を施行し,術後良好な結果を得ることができた.病理組織学的には,切除された動脈瘤は壁構造の保たれた動脈硬化性の真性動脈瘤であった.術後の血管造影では放置した小動脈瘤の消退を認め,このことから動脈瘤増大の一因には腹腔動脈の閉塞による血行動態の変化も関与しているものと考えられた.腹腔動脈閉塞を伴う膵十二指腸領域の多発動脈瘤に対し,バイパスにて血行再建を施行した症例は少ないと思われたので報告する.
キーワード
腹腔動脈閉塞, 膵十二指腸動脈瘤, バイパス術
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