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日外会誌. 98(11): 958-964, 1997


特集

逆流性食道炎・最近のトピックス

9.逆流性食道炎
外科的治療後の再発と対策

大分医科大学 第2外科

内田 雄三 , 橋本 剛 , 松本 克彦 , 野口 剛

I.内容要旨
逆流性食道炎の外科的治療後の再発は①胃手術後に逆流性食道炎の症状が顕著となったもの(予防策の失敗),②著明な逆流性食道炎に外科的治療を加えた後,再度,逆流性食道炎が発生したもの(外科的治療の失敗)に大別されうるが,日常見られるものの多くが①であり,②のほとんどが食道胃吻合術によるものである.自験例でも短食道型裂孔ヘルニアに対し,狭窄部を含む食道切除を行い,胸腔内で食道胃吻合術を行ったものは全例で再発がみられた.また狭窄部にStentを挿入したのみのものでは,さらに口側に食道炎および狭窄が生じることがある.したがってこのような症例に対しては,従来,空腸問置術が行われてきたが,われわれはより侵襲を少なくする目的で,術前,狭窄部にStentを挿入し,左開胸,経横隔膜的にCollis-Nissen手術を行い,良好な成績をえた.高齢その他の理由で,空腸間置術がためらわれるような症例に対して,本術式は極めて有用と思われる.

キーワード
逆流性食道炎, 再発, 対策, Stent, Collis-Nissen

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