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日外会誌. 98(6): 580-583, 1997
症例報告
Y型人工血管置換術後遠隔期に発生した吻合部仮性動脈瘤小腸瘻の1手術救命例
I.内容要旨症例は70歳の女性で18年前に腹部大動脈瘤手術の既往があり,大量黒色便を主訴に緊急受診した.右下腹部に拍動性の腫瘤を触知し造影CTにて置換Yグラフト右脚部周辺の動脈瘤を認め,消化管瘻の疑いで緊急手術となった.Yグラフト右脚と右内腸骨動脈再建グラフトとの吻合部から発生した仮性動脈瘤が,回盲部から約1.5m中枢側の小腸へ痩孔を形成していた.右内腸骨動脈再建グラフトは切除し断端を縫合閉鎖,Yグラフト右脚は縫合離開部を約1cm切除し端々吻合して再建した.瘻孔部小腸は瘤壁と共に小腸を約6cm合併切除し端々吻合した.術後約2年の現在,感染兆候もなく健在である.救命には早期手術が肝要であり,術野感染の少ない小腸瘻で,グラフト局所切除の縮小術式で救命した症例を報告した.
今回我々はY型人工血管置換術術後18年の遠隔期に発生した吻合部仮性動脈瘤小腸瘻の症例を経験しこれを救命しえたので,若干の文献的考察を加えて報告する.
キーワード
動脈瘤ー腸管瘻, 人工血管置換術後, 大量下血
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