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日外会誌. 98(6): 576-579, 1997
症例報告
肥厚・硬化した胸膜を応用した筋肉弁充塡術により治癒した有瘻性膿胸の1例
I.内容要旨有瘻性膿胸は,無瘻性膿胸と異なり難治性である.最近経験した有瘻性膿胸の1例を含め過去の8例の手術術式と治療成績について報告する.症例は,65歳男性で1988年7月に肺結核により右上葉切除術を受けており,1994年11月下旬に咳嗽が出現し近医を受診した.右膿胸と診断されチューブドレナージの後当科に紹介された.右上葉気管支の断端が完全に開しており瘻孔部の直径は約10mmであり,これら8例のなかでは最大であった.本症例では肥厚・硬化した胸膜を閉鎖に用いた筋肉弁充填術と胸郭形成術を行った.術後9カ月であるが経過は,順調である.また,有瘻性膿胸の8例は,開窓術を行い二期的手術とした.観察期間は4カ月から4年7カ月になるが全例で膿胸の再発はない.可及的早期に開窓術を行い膿胸腔の浄化に専念することにより,より良い根治術ができ治療成績の向上が得られるものと考えられた.
キーワード
膿胸, 筋肉充塡術, 開窓術
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