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日外会誌. 97(10): 879-883, 1996
特集
大動脈解離の治療の現況
大動脈解離の病態生理と合併症
I.内容要旨大動脈解離とは「大動脈壁が中膜のレベルで,動脈走行に沿って二層に剥離し,或る長さにわたって二腔となった状態」を言い,しばしぼ径が拡大して瘤化し,「解離性大動脈瘤」を形成する.臨床に用いられている解離の分類には,①解離の部位からみた分類(Stanford分類やDeBakey分類),②偽腔血流状態からみた分類(Thrombosed型,偽腔開存型),③解離発症時期からみた分類(急性期,慢性期)などがある.
解離の病態として,急性期では,①血管外へ穿破した場合(破裂,心タンポナーデなど),②偽腔形成により末梢での虚血を来した場合(冠動脈;心筋梗塞・狭心症,頚動脈;脳虚血,腹部分枝;腸管虚血,腎動脈;腎虚血,腸骨動脈;下肢阻血など),③解離により弁機能不全を来した場合(大動脈弁閉鎖不全),更に慢性期になると,前述の②と,④動脈径が拡張した場合(瘤形成による破裂など)などが重要である.
キーワード
大動脈解離, Stanford型分類, 偽腔閉塞型 (血栓閉塞型) 解離, 心タンポナーデ, 分枝虚血
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