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日外会誌. 96(12): 811-814, 1995
症例報告
三尖弁閉鎖症 (Ic 型) に対する幼児期早期TCPCによる一治験例
I.内容要旨生後3カ月時に肺動脈絞扼術(PAB)を施行された三尖弁閉鎖症(Ic型)の1歳女児に対し,fenestrated total cavopulmonary connection(TCPC)を施行した.術前,正常洞調律で軽微な房室弁逆流を認めた.PAB前後の圧較差は90mmHg,肺血管抵抗係数は2.14単位・M
2,中田のPA Indexは644mm
2/M
2であった.手術は軽度低体温体外循環下に行われ,GoreTex人工血管に2.7mmの開窓をしたバッフルを用いて,心房内トンネルを作成,上大静脈を切離し肺動脈にその切断端をそれぞれ吻合した.術直後CVPは18mmHgであったが,術後6時間目には11mmHgまで低下し,以後順調な経過をたどった.
我々は三尖弁閉鎖症例に対し,乳児期後期にfenestrated TCPCを考慮して行く方針である.
キーワード
fenestrated total cavopulmonary connection, 三尖弁閉鎖症, 乳児期手術
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