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日外会誌. 96(7): 489-491, 1995


症例報告

成人に見られた CA19-9産生両側副腎奇形腫の1例

弘前大学 医学部第1外科

須藤 泰裕 , 小林 慎 , 加固 紀夫 , 岩渕 圭 , 岩渕 晶子 , 鯉江 久昭

(1994年3月25日受付)

I.内容要旨
両側副腎に発生したCA19-9産生奇形腫の症例を報告する.症例は,22歳女性で,右上腹部痛を主訴として来院した.画像診断にて両側副腎部の奇形腫と診断され,腫瘍摘出術を施行した.摘出された腫瘍は,右側が重さ3,976g,左側は618gであり,病理学的に成熟型奇形腫と診断された.免疫組織染色にて腫瘍内の腸上皮細胞にCA19-9の陽性反応を認め,血中への逸脱により術前CA19-9は高値を示したが,腫瘍摘出により正常に復した.成人の副腎原発奇形腫は稀であり,特に両側発生例の報告はなく,副腎奇形腫の両側発生の可能性を示唆する最初の報告と思われる.

キーワード
副腎腫瘍, 奇形腫, CA19-9

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