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日外会誌. 96(6): 396-398, 1995
症例報告
特発性胃破裂の1例
I.内容要旨今回,嘔吐が原因と考えられる成人の特発性胃破裂を経験した.症例は80歳女性.昼食後嘔吐し,夕方に腹痛および腹部膨満が出現した.受診時腹部理学的所見にて節性防御とX線上大量の遊離ガス像を認めた.検査中にショックとなったため消化管穿孔の診断で直ちに手術を行った.開腹すると胃上部大彎側前壁寄りに約5cmの亀裂を認め,亀裂部の壁は壊死に陥っていた.なお,潰瘍や腫瘍の形成は認められずまた外傷の既往もなかった.手術は亀裂部周囲の壊死組織をデブリードマンした後2層に縫合閉鎖した.病理組織学的には亀裂部周囲の粘膜に壊死性変化が認められた.術後,呼吸不全や軽度の胃拡張を併発したが術後第94病日に退院となった.
本症例は,胃拡張が内圧の亢進を起こし胃壁の循環障害と嘔吐により脆弱化した部位が穿孔したと考えられた.
キーワード
特発性胃破裂, 嘔吐, 急性腹症
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