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日外会誌. 93(8): 794-799, 1992


原著

深達度・占居部位・リンパ流からみた胃癌根治手術の合理化

京都府立医科大学 第1外科

沢井 清司 , 高橋 俊雄 , 山口 俊晴 , 萩原 明於 , 谷口 弘毅 , 清木 孝祐 , 岡野 晋治

(1991年5月25日受付)

I.内容要旨
教室で根治切除を行ったP0H0の胃癌1,010例と微粒子活性炭CH40の術中リンパ節内注入を行った胃癌147例を対象として深達度・占居部位とリンパ節転移の関係および胃周囲から大動脈周囲リンパ節に至るリンパ流を検索し,胃癌根治手術における郭清範囲の合理化について下記の結果を得た.
1)深達度mの癌にはR1郭清, sm癌にはR2郭清,進行癌のうち胃上中部の癌にはR2+No.12a郭清,胃下部および全体癌ではR3郭清を行い,進行癌の中でも深達度がse・seiで, No.2, 7, 8a, 9, 11, 12, 14Vのいずれかに転移を認める症例にはNo.16郭清を追加するのが合理的な郭清範囲である.
2)検索対象の1,010例をこの基準に当てはめると,郭清範囲別の頻度は R1:18.8% (190例), R2:20.3% (205例), R2+No.12a: 23.5% (237例), R3:20.4% (206例), R2+No.12a+No. 16: 8.4% (85例), R3+No. 16: 8.6% (87例) となり, この基準で郭清を行ったと仮定すると,郭清範囲外のリンパ節転移は4例のみで, 99.6% (1,006/1,010) がR≧nとなった.

キーワード
胃癌のリンバ節郭清範囲, 胃の領域リンパ流, 微粒子活性炭CH40, 胃癌の深達度, 胃癌の占居部位

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