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日外会誌. 93(5): 475-480, 1992
原著
胸部食道癌気道系合併切除症例の検討
I.内容要旨気道系を合併切除した胸部食道癌症例37例を対象とし,合併切除の意義と問題点について検討した.
気管・気管支合併切除5例中,手術直接死亡は1例であった. 4例で外科的切除断端陽性であり,2年以上生存した1例の組織学的リンパ節転移はn
2(+) で,組織学的切除断端は陰性であった.組織学的切除断端陰性を得ることと,根治的リンパ節郭清を行うことが可能である症例以外では積極的に合併切除を行う意義はないと考える.
肺合併切除をうけた32例中,半数は組織学的深逹度がa
2以下であり,術中深逹度診断がむずかしい.肺合併切除そのものに起因する術後合併症は肺炎の1例のみであり,安全な術式である.組織学的a
3症例の5年生存率は,10.4%でありa
2以下症例 (29.1%) との間で有意差を認めなかった.肺に対するA
3と診断された場合は,切除をあきらめることなく積極的な肺合併切除の意義があると考える.
キーワード
胸部食道癌, 気道系浸潤, 肺合併切除, 気管・気管支合併切除
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