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日外会誌. 93(3): 328-331, 1992


症例報告

横行結腸間膜原発脂肪肉腫の1例

1) 社会保険久留米第1病院 外科
2) 社会保険久留米第1病院 病理
3) 久留米大学 医学部第1外科

枝国 節雄1) , 磯辺 真1) , 田中 真紀1) , 赤木 由人1) , 中村 幸泰1) , 神代 正道2) , 掛川 暉夫3)

(1991年1月7日受付)

I.内容要旨
脂肪肉腫はその多くは四肢や後腹膜に発生する.腸間膜に原発する脂肪肉腫は稀で,文献上9例が報告されているのみである.我々は横行結腸間膜に発生した脂肪肉腫を経験した.症例は, 75歳の男性で腹部の腫瘤を自覚して来院した.超音波検査およびCTscanの結果,腫瘍は充実性で被膜を有しており,血管造影所見から腸間膜の悪性腫瘍を疑った.開腹所見として腫瘍は横行結腸間膜に存在し容易に切除できた.摘出標本は1,250g,17×14×10cmであり病理組織学的には粘液型の脂肪肉腫であった.脂肪肉腫は単純切除のみでは再発が多いとされており,腫瘍を含めた広範囲切除が必要であったと反省すべき症例であった.患者は術後17カ月目の現在,再発の兆候もなく健在である.

キーワード
脂肪肉腫, 横行結腸間膜

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