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日外会誌. 93(2): 212-215, 1992


症例報告

Salmonella enteritidis による感染性腹部仮性大動脈瘤の1治験例

聖隷浜松病院 心臓血管外科

平松 祐司 , 酒井 章 , 牧 真一 , 野村 友清 , 大澤 幹夫

(1990年12月15日受付)

I.内容要旨
66歳男性.発熱と腹痛を主訴とし,諸検査にて糖尿病を背景としSalmonella enteritidis敗血症に続発した感染性腹部仮性大動脈瘤と診断した.幸い化学療法により消炎され,腹部大動脈をY型人工血管で置換した.術後5カ月を経過して再感染の徴候はない.近年, compromised hostの増加に伴いSalmonella菌敗血症は増加傾向にあるといわれ, Salmonella菌による感染性大動脈瘤の報告例も散見される.本症例をもとに感染性腹部大動脈瘤の発生機序,治療方針等につき若干の文献的考察を加えた.

キーワード
Salmonella enteritidis, 感染性腹部仮性大動脈瘤, 人工血管置換術

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