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日外会誌. 90(10): 1810-1813, 1989


症例報告

気管支腺原発の腺房細胞腫(Acinic cell tumor)の1切除例

川崎医大附属川崎病院 外科
*) 川崎医大附属川崎病院 病理

吉田 一典 , 小山 昱甫 , 松井 俊行 , 月山 雅之 , 水島 陸枝*)

(1988年10月20日受付)

I.内容要旨
症例は,29歳男.2年前から肺炎様症状を繰り返し,気管支鏡にて左B6の完全閉塞を認めた.生検で気管支由来の良性腫瘍と診断し,区域切除施行.組織学的に腫瘍細胞は淡明でdiastase抵抗性PAS陽性,唾液腺型Amylase陽性穎粒を持つものがあり,Acinic cell tumor(ACT)と診断した.気管支腺原発のACTの報告例は今までに本邦にはない.唾液腺のACTはlow grade malignancyであり,気管支腺原発のACTも同様の性格を持つと考えられ,本症例においても今後厳重な経過観察が必要である.

キーワード
気管支腫瘍, 腺房細胞腫, 気管支腺

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