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日外会誌. 89(6): 889-897, 1988
原著
肝門部胆管癌の尾状葉胆管枝への浸潤に関する CT の診断的意義
I.内容要旨1983年5月から1987年3月までに当科で切除した肝・胆道・膵癌症例のうち,150~200mlという比較的大量の造影剤を投与してCTが施行されているものを対象に,CTにおける尾状葉胆管枝(以下,B
1)の描出程度を検討した.その結果,1)胆道系に異常のない例ではCT上B
1は同定できない.2)下部胆道閉塞による閉塞性黄疸例では,PTCDによる胆道減圧前にはCT上B
1が同定できるものの,PTCD後ではほとんど同定しえなくなる.3)肝門部胆管癌ではPTCD後のCTにおいても25例中19例がCT上B
1を同定でき,またこの19例中18例にB
1への癌の浸潤が認められた.以上より,PTCD後のCTでB
1が同定できるような肝門部胆管癌では,B
1への癌の浸潤が高率にあると考えられ,尾状葉切除の必要性が示唆された.
キーワード
肝門部胆管癌, 尾状葉胆管枝, コンピューター断層撮影
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