[書誌情報] [全文PDF] (3477KB) [会員限定・要二段階認証][検索結果へ戻る]

日外会誌. 89(3): 464-469, 1988


症例報告

術前に診断し得た右副腎myelolipomaの1例および本邦報告例の検討

広島記念病院 外科

村上 義昭 , 布袋 裕士 , 津村 裕昭 , 河毛 伸夫 , 中井 志郎 , 角 重信 , 増田 哲彦

(昭和62年3月10日受付)

I.内容要旨
右背部痛を主訴とする59歳,女性に対して,腹部超音波, CT検査などの画像診断にて術前に診断を得,外科的に切除し治癒せしめた右副腎myelolipomaの1例を経験したので報告した.本症例の摘出腫瘤の大きさは11.5 x 10. 5 x 8. 5cm, 重量は470gで,組織学的にはSoósの第1型に相当するmyelolipomaであった.
本邦におけるmyelolipomaの外科的切除例は,本症例を含めて16例であり,年齢は20~60歳(平均49.1歳),男女比は11: 5で,腹痛,腹部腫瘤を主訴とし,肥満,高血圧を合併することが多く,発生部位は右:左11: 5, 大きさは3~21cm(平均10.9cm),重量は10~1,930g(平均823g)であった.
副腎myelolipomaは,各種画像診断にて術前に診断することは十分に可能であり,副腎内分泌機能が正常でfat densityを示す副腎腫瘤にはmyelolipomaを念頭にいれた診断が必要である.

キーワード
副腎myelolipoma

このページのトップへ戻る


PDFを閲覧するためには Adobe Reader が必要です。