[書誌情報] [全文PDF] (1200KB) [会員限定・要二段階認証][検索結果へ戻る]

日外会誌. 88(6): 761-767, 1987


原著

術後3年以上を経過した腎血管性高血圧症に対する自家腎移植症例の検討

京都府立医科大学 第2外科

福田 雅武 , 相川 一郎 , 大森 吉弘 , 吉村 了勇 , 鈴木 茂敏 , 安村 忠樹 , 岡 隆宏

(昭和61年7月7日受付)

I.内容要旨
異所性自家腎移植を行つた腎血管性高血圧症の長期予後をみるために,術後3年以上経過した10例について,検討を行つた. 
原因疾患は線維筋性異形成5例,次いで動脈硬化3例,大動脈炎2例であつた.年齢は21歳から55歳で,性別は男性4名,女性6名であつた.全症例とも片側性の腎動脈狭窄で右側6例,左側4例であつた. 
術後1ヵ月の時点での高血圧治癒90%,改善10%で,術後3年の時点でも治癒90%,改善10%であり,自家腎移植の成績は良好であつた.手術に因る死亡および移植腎喪失はみていない. 
腎血管性高血圧症にたいし,最近では薬物療法やpercutaneous transluminal angioplasty(PTA)がおこなわれているが,長期予後は不明である.腎血流改善,腎機能維持のため我々が行つた自家腎移植では確実な効果が得られ長期予後も良好であるので,選択すべき治療法であると考えられる.

キーワード
腎血管性高血圧症, 自家腎移植

このページのトップへ戻る


PDFを閲覧するためには Adobe Reader が必要です。