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日外会誌. 88(5): 594-599, 1987
原著
膵管非拡張慢性膵炎に対する手術適応と手術々式
I.内容要旨膵管の拡張していない慢性膵炎に,時に遭遇するが,これらへの外科的対応については,いまだ一定の見解がない,そこで,膵管非拡張慢性膵炎として,膵管減圧手術が,適応とならないような,主膵管径が6mm未満のもの11例をとり上げ,その病態について検討し,その外科的治療のあり方について言及した.対象症例11例は,4例のsegmental lesion groupと7例のdiffuse lesion groupの2つのgroupに大別された.segmental lesion groupは比較的良好な膵機能を有し,また,そのsegmental lesionに対処することによつて良好な成績が得られ,術後経過も良好であつた.一方,diffuse lesion groupは1例を除いて膵機能は荒廃しており,除痛のみが手術適応となり,膵管減圧の意義はなく,広範囲膵切除が考慮されるかもしれないが,その侵襲度をひかえ目とし,膵機能を出来る限り保持することを考える時,われわれの膵神経叢全切除術により好成績を得ていることから,膵管非拡張慢性膵炎のdiffuse lesionを有する例には,膵神経叢全切除がよりよい術式と考えられ,本術式を新術式として提唱し,更に症例を重ねて検討したい.
キーワード
慢性膵炎, 膵管非拡張慢性膵炎, 膵神経叢全切除術
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