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日外会誌. 88(2): 186-190, 1987
原著
切除不能胆道,膵癌に対する肝内胆管空腸側々吻合術
I.内容要旨7年6月間に59例の切除不能胆道,膵癌を経験し,各種減黄法を施行したが,そのうち13例に肝segment 3の胆管と空腸の側々吻合術(Bismuthらの方法)を行つた.
本術式の要点について述べた.術死は1例もなく,術後合併症は早期2例,晩期2例を認めた.Longmire法とは異なり,胆管と空腸の吻合は側々吻合であり,吻合口径が大きいので,手術は容易であり,吻合部狭窄はおこらない.肝切除は全く必要なく,手術時間,出血量も少なく,手術侵襲は軽度であつた.本法を行つた患者の術後平均生存期間は8.9月,最長25.5月であつた.ステントチューブ挿入期間は死亡まで挿入3例,他は約1ヵ月前後である.6ヵ月以上生存した7例中6例に術後performance statusが改善された.
これらの経験にもとずき,本術式の適応について考察を加えた.癌の進展状況からみて,6ヵ月以上生存が見込まれる症例では本術式が好ましいと考えられた.
キーワード
切除不能胆道癌, 切除不能膵癌, 胆道癌姑息手術, 肝内胆管空腸吻合術
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