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日外会誌. 87(3): 266-272, 1986
原著
腫瘍移植マウス血清の脾細胞幼若化に対する影響
I.内容要旨健常マウス血清(NMS)と腫瘍移植マウス血清(メチルコラントレン誘発肉腫(MCA-F)皮下移植後4~5週(腫瘍径約2cm)の血清.F4w血清と略す)およびその高速液体クロマトグラフィー(HPLC)(column;MONO Q,buffer;20mM tris HCI(pH 8.0))により分離した分画のmitogenによる脾細胞幼若化に及ぼす影響を検討した.NMSの5%添加により脾細胞幼若化が抑制された.NMSのHPLCパターンは,溶出順に非吸着成分(NA)とそれに続いてA,B,C,Dのピークが認められ,ピークDに幼若化抑制が認められた.F4w血清はより低濃度(0.6%以下)添加で幼若化抑制を認めた.HPLCパターンではピークBが増加しピークDの後にピークEが出現し,ピークEに幼若化抑制を認めた.F4w血清の脾細胞幼若化抑制因子は56℃×30分の熱処理で失活せず非透析性であつた。NMSとF4w血清の脾細胞幼若化抑制分画は種を越えてラット脾細胞幼若化も抑制した.
キーワード
マウス血清, 免疫抑制因子, メチルコラントレン肉腫, 脾細胞幼若化反応, 高速液体クロマトグラフィー
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